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7 アーカイブ(過去に扱った逸品&コレクション)

過去に扱ったものの中で、写真が残っていてしかもなかなか手に入りにくいレアなタイプのもの、又は参考品としてのギャラリーチューリップのコレクションなど、少しずつご紹介したいと思いこんなページを作ってみました。
テキスタイルは、身近な素材の為かしっかりした参考文献が大変少ない分野ですが、大変奥が深いものです。
こんなものもあるのかと、ご覧いただけたら幸いです。

ペルシャ・ベルベット絣
19世紀後半
ペルシャ・絹サテン絣
1900年代初頭
インド・刺繍
19世紀前半
バラで有名なカシャーンという町で作られた絣の壁掛けです。
ベルベットと絣を合わせた技術はとても高度なもので、現在は作られていません。
中央アジアでも貴族の衣装などに用いられたものが現存しています。
現在は外国でコレクションになっています。
また、トルコ・トプカプ宮殿のコレクションに同様のものが収蔵されています。
シルクロードで栄えたヤズドの町で織られた絹の絣の大型カバーです。
この様な大胆な柄と美しい色合いのサテン地の絣は大変珍しいもので、このタイプのものでこれ程大型のものを博物館のコレクションや欧米の市場でもまだ見たことがありません。
現在は外国でコレクションの1つとなり、飾られています。
インドの西部で作られたものと思われる刺繍です。
手織り木綿地に、色とりどりの絹糸で刺繍されています。
とても小型のアーチと草花文様の綺麗な壁掛けで、現在は外国のコレクションに入っています。
ウズベキスタン・スザニ(部分)
19世紀前半
インド・カシミール織り(部分)
18世紀後半
インド・カシミール織り
18世紀後半
スザニと呼ばれる刺繍の逸品です。
ウズベキスタンではこの様な刺繍布を結婚式に用いました。大胆な図柄と美しい色合いが魅力です。
現在では、19世紀以前のこの様なタイプは欧米のコレクターに人気が出て大変高価になっています。
これは手織り木綿地に絹刺しゅうのものですが、絹地や、ものによってはレザーなどのハードな素材に刺繍されたものも残っています。
現在は外国のコレクションになっています。
カシミールのショールや布地は、19世紀まで憧れの的で、当然高価で一部少数の王侯貴族や富裕層のためだけのものでした。
技術的な困難さだけでなく、素材を用意することも大変時間がかかる作業ですから、一枚を仕上げるまでに数年を要したのです。
この布は、その中でも大変珍しいデザインで、やさしい色合いとデザインが素晴らしい逸品です。
現在は外国のコレクションとなっています。
現存するカシミールのショールというと、ペイズリーのものが大半を占めています。しかし、そのデザインはバラエティーに富み、様々なものがありました。その殆どはペルシャ美術に影響されています。
これは小さな残欠でしたが、左のものと同様、大変珍しいデザインの逸品です。
日本の方がご購入になりました。
インド・更紗(一部)
19世紀初頭
ペルシャ・更紗
19世紀前半
ペルシャ・更紗(部分)
19世紀末
インドのマハラジャの衣装に、この更紗を使ったものが残っています。
とても小さいスケールで、建物や銃を持った人物、様々な動物や植物がデザインされた大変珍しいものです。建物や騎馬人物の表現などに西洋の影響が見られ、当時のインドを反映する面白いデザインとなっています。
いくつかの断片をイランで発見し、既に完売致しました。
この様な建築様式をデザインした更紗はかなりの数がインド・ペルシャで作られ現存していますが、その中でもこれは大変美しいものでした。
やはり古いものの魅力の1つは色でしょう。特に染だけで表現している更紗はなお更です。これはそれがとてもよく染められ残ってデザインのバランスも素晴らしく、とても注目されました。
現在は外国のコレクションになっています。
ペルシャ、カジャール朝の皇太子の結婚記念か何かのものでしょうか。当時の王様の衣装の人物が、カジャール時代独特の雰囲気を持つ女性と共に楕円に収まっています。
年号も入っているので、その年に何があったかを調べればわかることなのですが、調査は未だです。
更紗として逸品と言うわけではないのですが、あまりにレアで面白いモチーフなのでご紹介しました。
ペルシャ・カード織ベルト(部分)
18世紀後半
ペルシャ・刺繍(部分)
19世紀末
ペルシャ・刺繍裂
17世紀末〜18世紀初頭
ペルシャでは古くからカード織が普及し、遊牧民なども荷物を運ぶ時に使う紐など様々に使うもののために織っていました。
これは極細の絹糸で緻密に織られており、特別な人のためのものであったことが伺われます。ここでデザインされている生命樹の上にいる孔雀のモチーフは、古代ペルシャから用いられているものです。更に、日本語で言う所の寿のような意味を持つ文字が織り込んである、大変に凝ったものでした。
あるコレクターから特別に分けてもらった品で、もう少し手元において観察したかったと思った逸品です。
現在は外国のコレクションになっています。
ユダヤ教よりも昔から信仰されてきた啓示宗教にゾロアスター教というものがあります。古代から、少数ですが今日まで続いているものです。この刺繍パネルはそのゾロアスター教の女性が結婚式などで着たズボンの裾を飾っていたものです。
美しい色合いと信じられない程の細かい刺繍が特徴ですが、絶対数のとても少ないものです。ここ数年欧米で大変な人気になりました。
ゾロアスターの布の研究のため、コレクションしているものの一つです。
ペルシャ、サファヴィー朝の時代、ターバンを付けた人物の織物・刺繍がいくつか作られました。
これは木綿地にびっしりと刺繍で埋め尽くされたもので、恐らく領主などの為に使われたクッションの一部だと思われます。
この様なデザインの殆どが公共のコレクションとなってしまっているので滅多に市場に出ません。これはイランのある人物が長年所有したコレクションの一つだったものです。

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